輸血・再生医療部門

患者様へ・再生医療の実例

歯周病における再生治療/厚生労働省ヒト幹細胞臨床研究審査承認

歯周病の症状 ~ 歯周病とは

歯周病は、歯と歯根の表面に付く歯垢、つまり、細菌の塊に感染することによっておこる炎症性の病気です。
歯ぐきが腫れる症状にとどまる『歯肉炎』と歯を支える骨(ほね)までとける『歯周炎』の大きく2つに分類されます。

一般的に若い年齢のうちは歯肉炎にとどまっているのですが、放置しておきますと、30歳頃から歯周炎の症状が始まり、ゆっくりと進行します。
重症になりますと、歯が自然に脱落してしまいます。成人の歯を失う原因の7割は歯周病によるものだといわれています。

次の症状が2つ以上あれば、歯周病の可能性が高いと思われます。歯ぐきが赤い、歯ぐきが腫れる、血や膿が唾液に混じる、
口が臭い、歯が長くなってきた、歯が浮く
といった症状です。

また近年では歯周病それ自体が、糖尿病、肥満、狭心症や心筋梗塞、誤嚥性肺炎、早期低体重児出産、骨粗しょう症、免疫・アレルギー疾患の原因あるいはリスク因子であることが明らかにされてきています。

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歯周病の治療法

スケーリング・ルートプレーニング(軽度~中等度の歯周病)

スケーリング・ルートプレーニングとは歯根の表面に付いた歯垢や歯石を除去して歯根表面を滑沢にする操作の事です。
歯石は歯垢が石灰化したもので、表面は粗造で放置するとさらなる歯垢の温床となり歯周病は悪化へ向かいます。従って、患者さまによるプラークコントロール(歯磨き)と同時に、歯科医師側によるスケーリング・ルートプレーニングがすべての歯周病の治療の基本となります。 軽度から中等度の歯周病は殆どがこの治療で改善されます。

フラップ手術(中等度~重度の歯周病)

中等度から重度の歯周炎になると歯周ポケットが形成され歯を支える骨(ほね)が溶けていきます。
この状態に対しては、歯肉フラップ(弁)を形成してルートプレーニングを明視野でおこなうことで病原因子を徹底して排除できます。このフラップ手術により歯肉は引き締まり、歯周ポケットを浅くすることができます。
しかし、複雑に吸収して失われた骨欠損はこの処置だけで回復させることが難しくさらに工夫が必要となります。それが再生治療です。

培養骨膜を用いた再生治療(中等度~重度の歯周病)
この患者の症状

数年前から自覚していたが、体調が優れないときに下顎前歯の歯肉の腫れを繰り返し歯磨き時に出血がみられました。体調の回復とともに自然に症状も治まったのでそのまま放置していました。今回、歯周組織検査とエックス線写真検査により深い歯周ポケットの存在と骨が溶けていることが明らかにされました。

重度の歯周病
治療方法

立体的に失われた骨を元通りに再生させるためには、骨をつくる細胞、細胞が成長していくための足場、細胞の成長を促進する活性物質の3つの因子が必要です。

この3つの要素に骨の上に張り付いている骨膜、人工骨材料アパタイト、患者さまご自身の血液成分を選択して骨欠損部に混合して投与したところ、新しく骨を再生させることに成功しました。

手術前ルートプレーニングにより明らかにされた骨欠損
人工骨材料と血液成分の混合物の填入培養骨膜の被覆
治療結果

これまで3年以上経過した症例が22例ありますが、不都合な症状が生じた例は一例もなく、長期に安定した結果が得られています。

治療前・手術前の歯肉とエックス線写真治療後・手術後3年目の歯肉とエックス線写真

 

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